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効率的な勉強のために知っておきたい記憶の仕組み

  • ota647
  • 2月17日
  • 読了時間: 4分

更新日:6月21日

こんにちは。美馬うだつ塾です。


勉強と切っても切り離せない関係にある記憶。


ですが、「暗記苦手なんです…」「その日に勉強したことも、次の日になったらほとんど忘れてしまいます…」といった悩みをよく耳にします。


記憶力を高めるためには、記憶の仕組みについて理解しておくことが大切です。


この記事では、効率的な勉強のための記憶について解説していきますので、学生の皆さんはもちろん、保護者の皆さんもぜひ参考にしてみてください。


記憶には短期記憶と長期記憶がある

記憶には短期記憶と長期記憶がある

まず前提として理解しておきたいのが、記憶には2種類あるということです。


記憶は、大きく分けると「短期記憶」と「長期記憶」の2つがあります。


短期記憶は目や耳などを通して入ってきた情報を一時的に保管するための記憶です。


そして、その短期記憶の中から、脳が「これは必要だ」と判断した情報のみが、長期記憶として保管されていきます。


長期記憶と短期記憶の違い

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短期記憶の容量は7±2と言われており、同時に8個以上のことを記憶するのは難しいとされています。


また、”短期”という名前の通り、短期記憶として保管された情報は数十秒しか保持されず、時間が経つにつれてどんどん忘れられていきます


一方、長期記憶は何十年も記憶することができ、また大容量の情報を記憶することができます


時間の経過と記憶の変化

時間の経過と記憶の変化

時間経過と記憶の変化について研究した「エビングハウスの忘却曲線」があります。


ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが人間の長期記憶について研究したものです。


実験では意味のないアルファベットを記憶させた後、どれだけ記憶を保持できているかを調べました。


実験では20分後には42%を忘れているという結果が出ており、その後1時間、1日、1週間、1ヶ月が経つにつれて、どんどん記憶した内容が忘れられていきます。


なかなか覚えられないのは、短期記憶に留まっているから

なかなか覚えられないのは、短期記憶に留まっているから

しかしエビングハウスの忘却曲線が表しているのは「時間が経つにつれて記憶が忘れられていく」ことではなく、「一度覚えたものを再度覚えるのにかかる時間(節約率)」です。


例えば、最初は覚えるのに10分かかった情報でも、2回目(1時間後)に覚える時には5〜6分で覚えられるようになり、初めて覚えた時にかかった時間の約44%を節約できるということを示しています。


この研究結果を踏まえると、ある情報を学習してから早めのタイミングで復習をすることで、短時間で記憶を取り戻しやすいということがわかります


短期記憶から長期記憶に移すことを意識した勉強が重要

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初めて学習した内容は短期記憶として残り、時間とともに忘れていくこと、そして早めに復習をすることで忘れてしまった記憶を思い出しやすいことがわかりました。


最初は短期記憶でも定期的に復習を繰り返すことで、忘れていくスピードも緩やかになり、長期記憶として定着しやすくなります。


つまり、勉強した内容を長期記憶として残すためには、繰り返し復習をすることが大切です。


そして、もう一つ大事なポイントとして、復習をするベストなタイミングは”忘れかけたとき”です。


忘れかけたタイミングで学習した内容を思い出そうとすることで、習ってからすぐに復習するよりも長期記憶として定着しやすくなります。


勉強した内容を忘れてしまうのは記憶力の問題ではない?

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こうした記憶のメカニズムについて知ると、冒頭で悩みとして挙げた「その日に勉強したことを、次の日になったら忘れてしまう」理由が想像できるでしょう。


一度勉強しただけでは、ほとんどの内容は短期記憶として保管されるため、時間が経つにつれてどんどん忘れていってしまいます。


つまり、忘れること自体は人間の正常な脳の働きであり、記憶力だけが問題とは限りません。


得意・不得意はあれど、覚え方や復習の仕方を工夫することでこれまでよりも覚えやすくなることもあります。


なかなか覚えられないという人はまず、「忘れかけたタイミングで復習し、内容を思い出すこと(短期記憶から長期記憶に移行すること)」を意識しましょう。


まとめ


今回は効率的な勉強のために知っておきたい記憶の仕組みについて解説しました。


目や耳から入ってくる情報を全て記憶していると脳がパンクしてしまうため、それらの情報のほとんどは次々に忘れていくようになっています。


記憶の仕組みを理解すると、時間が経つと忘れてしまうことを前提に、学習した内容を繰り返し復習をすることが大切だと分かります。


繰り返し復習することで、自分自身の脳が「こんなに繰り返し入ってくるということは、かなり大事な情報なんだな」と錯覚し、徐々に忘れづらくなっていきます。


ぜひ今回解説した内容を日々の学習に役立ててくださいね。


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